2020年1月20日
受動部品などで用いられる値は、JIS C 5063 / IEC 63で定められた標準数列に従って設定されています。
標準数列は、等比数列になっており \(\sqrt[E]{10}\) で表される値で、Eに入る数字は 3, 6, 12, 24, 48, 96, 192 があります。 Eに入る値によって、E3やE192シリーズと呼ばれ、それぞれ誤差範囲によって用いる値が変わります。
標準数列は、対数メモリ上に値をとると等間隔になるように定められています。
JISの原本は、日本工業標準調査会 JIS検索から「JIS規格番号からJISを検索」で「C 5063」を検索すると見られます。
目次
誤差40%の素子に用いられる、E3の標準数列(10, 22, 47)を誤差の観点から考えてみます。
標準値 | 最小値(-40%) | 最大値(+40%) |
---|---|---|
10 | 6 | 14 |
22 | 13.2 | 30.8 |
47 | 28.2 | 65.8 |
100 | 60 | 140 |
上記の表を見てください。10の最大値(14)と22の最小値(13.2)が、少しかぶっているところがありますが似た値になっています。 標準数列では、許容誤差(E3なら40%)が一定の時に、値の分布が最適になるように定められているのです。
シリーズの許容誤差は次の表のようになります。適切な許容誤差にあわせたシリーズを選択すると良いでしょう。 また、誤差にあわせた値の素子が製造されていることが多いので、誤差5%のカーボン抵抗ならE24シリーズの値を設計に用いることができます。
シリーズ | 許容誤差 |
---|---|
E3 | 40% |
E6 | 20% |
E12 | 10% |
E24 | 5% |
E48 | 2% |
E96 | 1% |
E192 | 0.5% |
E3 | E6 | E12 | E24 |
---|---|---|---|
10 | 10 | 10 | 10 |
11 | |||
12 | 12 | ||
13 | |||
15 | 15 | 15 | |
16 | |||
18 | 18 | ||
20 | |||
22 | 22 | 22 | 22 |
24 | |||
27 | 27 | ||
30 | |||
33 | 33 | 33 | |
36 | |||
39 | 39 | ||
43 | |||
47 | 47 | 47 | 47 |
51 | |||
56 | 56 | ||
62 | |||
68 | 68 | 68 | |
75 | |||
82 | 82 | ||
91 |