アナログ・デジタル変換器

概要

コンピュータは、数値化されていない物理現象を取り扱うことが出来ないため、 アナログ・デジタル変換器(Analog-to-Digital Converter: ADC)を用いて ディジタル値に変換します。

物理現象は、センサなどを用いてアナログ信号として電気回路で利用することが出来ます。 アナログ信号は、時間軸と電圧(電流)軸が連続値であるため、細かくみるといくらでも小さくみることが出来ます。

例えば、テスタで1.0Vと測定した信号があります。しかし、もっと精密にはかると1.0001Vで、さらに1秒ごとに0.0001Vで振動していることがわかりました。本当はもっと小さな変化があるかもしれません。アナログ信号を緻密に見れば見るほど細かくみることが出来るのが、連続値です。

アナログ信号を、コンピュータで扱えるようにするため、アナログ信号を一定間隔で取り出して、数値に変換することを離散化と言います。 アナログ信号を取り出す軸として、時間軸と電圧軸の二つがあります。それぞれの軸で、数値化することを「サンプリング」と「量子化」と呼びます。

アナログ信号(アナログ値)から、デジタル信号(デジタル値)にサンプリングと量子化を経て変換する装置が、アナログ・デジタル変換器です。

変換方式の違いから、SAR型やΔΣ型などの変換器があり、誤差や変換速度の特徴が異なります。 設計では、A/D変換器の、アナログからデジタルへ変換するビット数(分解能)、速度、誤差、ノイズ、消費電力、サンプルホールドの有無などの特徴から最適なモノを選択することになります。

離散化

時間軸(サンプリング・標本化)

電圧軸(量子化)

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