JIS C 60062 抵抗器及びコンデンサの表示記号

受動部品などで用いられる値の表示は、JIS C 60062:2019(旧JIS C 5062)で定められた表示方法に従って表されています。

JIS C 5062が2019年に廃止され、国際規格 IEC 60062 と同じ番号に統一されたJIS C 60062:2019が日本工業規格として発行されています。 関連規格として、JIS C 60063 抵抗器及びコンデンサの標準数列 がある。

JISの原本は、「日本工業標準調査会 JIS規格番号からJISを検索」で「C60062」を検索すると見られます。

JIS C 60062の主な内容

  • 固定抵抗器の色による表示
  • 抵抗値及び静電容量値の文字と数字による記号
  • 抵抗値及び静電容量値の許容差並びに抵抗温度計数の文字記号
  • 抵抗器及びコンデンサの製造年月日記号または年週記号
  • プラスチックフィルムコンデンサの誘電体材料に対する文字記号

固定抵抗器の色による表示

抵抗器にカラーコードと呼ばれる色帯で抵抗値を示す方法。

カラーコード表示の注意点

  • 第1色帯は、抵抗器の端に最も近い位置とする。 (最後の色帯は、第1色帯より端から離れている。)
  • 最後の第5色帯・6色帯は、他の色帯より1.5倍~2倍の広い幅であることが望ましい。

色表示に対応する数値

有効数字10のべき乗数許容差[%]温度係数[10-6/K]
 0100 = 1±250
 1101 = 10±1±100
 2102 = 100±2±50
 オレンジ(黄赤)3103 = 1k±0.05±15
 4104 = 10k±25
 5105 = 100k±0.5±20
 6106 = 1M±0.25±10
 7107 = 10M±0.1±5
 8108 = 100M±1
 9109 = 1G
 10-1 =0.1±5
 10-2 = 0.01±10
 10-3 = 0.001
 無色±20

4線表示

有効2桁 x 10のべき乗 ・許容差 を示す。主に5%以上の誤差(E24)を示すときに使用される。

  • 1線目:有効数字1桁目の数字
  • 2線目:有効数字2桁目の数字
  • 3線目:10のべき乗数
  • 4線目:許容差

5線表示

有効3桁 x 10のべき乗 ・許容差 を示す。主に1%以下の誤差(E48)を示すときに使用される。

  • 1線目:有効数字1桁目の数字
  • 2線目:有効数字2桁目の数字
  • 3線目:有効数字3桁目の数字
  • 4線目:10のべき乗数
  • 5線目:許容差

6線表示

有効3桁 x 10のべき乗 ・許容差・温度係数 を示す。主に1%以下の誤差(E48)と温度係数を示すときに使用される。

  • 1線目:有効数字1桁目の数字
  • 2線目:有効数字2桁目の数字
  • 3線目:有効数字3桁目の数字
  • 4線目:10のべき乗数
  • 5線目:許容差
  • 6線目:温度係数

6色帯の表示例

  1. 幅広い帯 (新JIS C 60062では廃止)
  2. 中断された帯
  3. 点表示による帯(新JIS C 60062ではその他の表示方法として推奨されない)
  4. らせん状による帯(新JIS C 60062ではその他の表示方法として推奨されない)
6 line color code variation

抵抗器とコンデンサの文字と数字による表示

値と許容差・温度係数を文字と数字により表示する方法。

表示方法を表示順通りに分けて説明しているので、混同しないように注意してください。

  1. 抵抗値及びコンデンサの値の表示
  2. 許容差の表示
  3. 温度係数の表示

抵抗値及びコンデンサの値の表示

値は、3~5文字で構成され、数字と1文字の組合せで表示される。

抵抗値 RKMGTによる表示方法

文字を10のべき乗数表記として表示する方法

記号10のべき乗数
R100 = 1小数点として使用
K103 = 1K
M106 = 1M
G109 = 1G
T1012 = 1T

KOAなどでは「L」をmΩ(ミリΩ)の小数点として使用されている。

表示記号抵抗値表示記号抵抗値
R100.1Ω1M01.0 MΩ
R150.15Ω1M51.5 MΩ
1R01.0Ω10M10 MΩ
3R323.32Ω33M233.2 MΩ
10R10Ω100M100 MΩ
100R100Ω1G01.0 GΩ
1K01 kΩ10G10 GΩ
15K15 kΩ150G150 GΩ
100K100 kΩ1T01 TΩ
590K590 kΩ5T95.9 TΩ

抵抗値 3桁・4桁表示方法

3桁の場合は、 最初の2桁を有効数字とし、最後を10のべき乗数として表示する方法。 ただし、Rは小数点として用いる。

表示記号抵抗値表示記号抵抗値
R100.1 Ω10010 Ω
R470.47 Ω15015 Ω
1R01.0 Ω101100 Ω
2R02.0Ω20320 kΩ
4R74.7Ω4754.7 MΩ

4桁の場合は、 最初の3桁を有効数字とし、最後を10のべき乗数として表示する方法。 ただし、Rは小数点として用いる。

表示記号抵抗値表示記号抵抗値
R1000.100 Ω10R010 Ω
R4700.470 Ω15R015 Ω
1R001.00 Ω1000100 Ω
2R002.00 Ω200220 kΩ
4R704.70 Ω47044.7 MΩ

コンデンサ pnμmによる表示方法

文字を10のべき乗数表記として表示する方法

記号10のべき乗数
p10-12 = 1pF
n10-9 = 1nF
μ10-6 = 1μF
m10-3 = 1mF

コンデンサ 3桁表示方法

3桁の場合は、 最初の2桁を有効数字とし、最後を10のべき乗数として表示する方法。 ただし、Rは小数点として用いる。 単位はpFまたはμFで、表示桁数とは別に示されているモノとする。電解コンデンサのように大きい容量の場合にμFを用いる。

表示記号静電容量(通常 pF)静電容量(電解コンデンサμF)
R100.1 pF0.1 μF
4R74.7 pF4.7 μF
151150 pF150 μF
1521500 pF1500 μF

抵抗器及びコンデンサの許容差の表示

文字記号許容差 [%]
E±0.005
L±0.01
P±0.02
W±0.05
B±0.1
C±0.25
D±0.5
F±1
G±2
H±3
J±5
K±10
M±20
N±30
Q-10 ~ +30
T-10 ~ +50
S-20 ~ +50
Z-20 ~ +80

静電容量が10pF未満の場合は、「BCDFG」の許容差文字を使用する。

抵抗器の温度係数の表示

文字記号抵抗温度計数 [10-6/K]文字記号抵抗温度計数 [10-6/K]
Zその他(製品規格参照)Q±25
Y±2500P±15
X±1500N±10
W±1000M±5
V±500L±2
U±250K±1
T±150J±0.5
S±100H±0.2
R±50G±0.1

参考リンク

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