回路図記号

旧記号と新記号

電気用図記号は、 JIS C 0617において1999年に標準化されていています。 これは、IEC60617で国際標準化された図記号に基づいています。

下の図を見てもらうと、同じ名称に対して二つの図記号があることに気づかれると思います。 これは、「JIS C 0301及びJIS X 0122」というMIL記号に基づいて標準化された旧記号があるためです。 現在は旧記号が廃止され、JIS C 0617を使用するようになっています。

特に、2004年以降の高校の教科書では、新記号で記述されていることから、若い人が旧記号を知らない状況になり始めています。

JISの電気用図記号は、 日本産業標準調査会 から「JIS規格番号からJISを検索」で「C 0617」を検索するとみられます。

受動部品

名称旧記号(JIS C 0301)新記号(JIS C 0617)
抵抗器抵抗器 回路図記号抵抗器 回路図記号 新
コンデンサコンデンサ 回路図記号 旧コンデンサ 回路図記号 新
コイル・インダクタコイル・インダクタ 回路図記号 旧コイル・インダクタ 回路図記号 新

論理回路

名称旧記号(JIS X0122)新記号(JIS C 0617-12)
NOTNOT 回路図記号 旧NOT 回路図記号 新
BufferBuffer 回路図記号 旧Buffer 回路図記号 新
ANDAND 回路図記号 旧AND 回路図記号 新
NANDNAND 回路図記号 旧NAND 回路図記号 新
OROR 回路図記号 旧OR 回路図記号 新
NORNOR 回路図記号 旧NOR 回路図記号 新
ExORExOR 回路図記号 旧ExOR 回路図記号 新
ExNORExNOR 回路図記号 旧ExNOR 回路図記号 新

論理記号の入出力は、左側が入力で、右側が出力となります。JISに「信号の流れの方向は、原則として左から右とする。ある図記号の信号の流れの方向が右から左の場合には、図記号の説明として又は図記号自体に明示する。」と記載があります。

能動部品

名称旧記号(JIS C 0301)新記号(JIS C 0617)
オペアンプオペアンプ 回路図記号 旧オペアンプ 回路図記号 新 理想増幅オペアンプ 回路図記号 新
真空管・電子管
(傍熱陰極型3極管)
真空管・電子管(傍熱陰極型3極管) 回路図記号 旧真空管・電子管(傍熱陰極型3極管) 回路図記号 新
真空管・電子管
(直熱陰極型3極管)
真空管・電子管(直熱陰極型3極管) 回路図記号 旧真空管・電子管(直熱陰極型3極管) 回路図記号 新
真空管・電子管
(5極管)
真空管・電子管(5極管) 回路図記号 旧真空管・電子管(5極管) 回路図記号 新
真空管・電子管
(5極管 内部結線)
真空管・電子管(5極管 内部結線) 回路図記号 旧真空管・電子管(5極管 内部結線) 回路図記号 新
ネオン管・ネオンランプガス入り冷陰極放電管ネオン管・ネオンランプガス入り冷陰極放電管 回路図記号 旧 1ネオン管・ネオンランプガス入り冷陰極放電管 回路図記号 旧 2
IEC旧ネオン表示器記号(廃止)
ネオン管・ネオンランプガス入り冷陰極放電管 回路図記号 新 1ネオン管・ネオンランプガス入り冷陰極放電管 回路図記号 新 2
IECガス入り冷陰極放電管
  • ネオン管は、詳細がよく分からないため、冷陰極管なども合わせて表記しています。詳細をご存じの方おられましたらご教授ください。
  • 3極管は、旧を傍熱型、新を直熱型と対応しない記号で記述していたため修正しました。お騒がせしました。

参考書籍

JIS C 0617の回路図記号の詳細は、ハンドブックがオススメです。2011年10月に新しく2冊組みで発刊されました。1記号1ページで、図記号の説明やキーワードの他に英語での説明(IEC 60617情報)もあります。2020年1月時点で(2)は一部でプレミアが付いてしまっています。楽天ブックスではまだ定価で買えそうです。

よく使われる図記号を知りたい人には、「記号・図記号ハンドブック」がオススメです。JIS C 0617 だけでなく、電子、電気、制御、情報処理等(シーケンス制御、計装用記号、フローチャートなど)に関する記号・図記号が幅広く一冊にまとめられています。

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